1歳乳児の腹痛、それって腸重積かも!?

病気
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腸重積という病気はご存知でしょうか?赤ちゃんが夜寝つかなくて泣いてぐずるという経験は、子を持つ親なら誰でもあると思います。そして、意外とその理由が分からず苦労するんですよね。喉が渇いているのか、ただ単に寝付けないのか、もしくはどこか痛いのか?赤ちゃんの場合は、言葉でコミュニケーションが難しいため、親が色々な思考をめぐらして判断・解決するしか方法がありません。

わが家の次男もそんなことがあり、実は腸重積という病気にかかっていたことがありました。この腸重積という病気、決して症例としては少なくないそうですが意外と知られていないのではないでしょうか。夜々寝付かないような時は、様子を観察してみて腸重積も疑ってみてください。

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腸重積とは

腸重積は、腸が重なって圧迫されて便が詰まったり、血管が圧迫されてしまう病気です。詳しい説明は他サイトにあるので割愛しますが、1歳~2歳頃に多く発症します。胃腸炎にかかった後になりやすく(そうで無い場合もあるようです)、腹部に痛みがでます。この痛みは、腸が活動するタイミングで起こるため周期的に発生するようです。

腸重積体験

症状の始まり

就寝前、21時前後は普段と様子の変化もありませんでした。寝る10分前くらいに、1回お腹のあたりを抑えて少し痛いような感じを訴えてきましたが、遊んでいてどこかにぶつけた程度にしか思ってませんでした。その後は何事も無く就寝。変化が現れたのは夜中の1:30頃。 普通の夜泣きのような感じで泣きながら目を覚ましました。 わが家の次男は、幸いなことに比較的寝付きは良い方で夜泣きも少ないです。深夜にぐずっても大体水分を取らせてあげるとすんなり寝てくれます。がしかし、この日の夜は様子が違っていました。何を試しても、寝ては泣いて起きるを繰り返していました。

その後、10分から20分後にまた泣きながら目を覚ましました。それを何度も繰り返すので、抱っこしてあやしたりお茶をあげたり、エアコンで涼しくしたりしましたが相変わらず。そのうち、寝きながら目をさます期間が短くなってきていることから、何か様子がおかしいと気づき始めました。泣いている間、わが家の次男はのけ反るような姿勢をとっては、たまにお腹に手をやるのでお腹が痛いのかと思いました。実は、少し便秘気味だった次男。便秘による腹痛?と考え始めました。朝方4:30頃にオイルを塗った綿棒を使って排便を促しますがうんちは出ず。便秘の可能性もあるのに救急に行くか、かなり迷いました。

そこで、わが家はまず東京消防庁救急相談センターに電話で相談することに。

東京消防庁救急相談センター
TEL:#7119 / 03-3212-2323
救急受信をするか、救急車を呼ぶべきかを相談できる24時間対応の相談窓口

窓口の方に、救急受診すべきか相談したい旨を伝えると専門の方につないでくれました。現在の症状や、経緯などを伝えると救急受診した方が良いのではないかと言ってくれました。助言はあくまでも判断の一つにすぎませんが、救急にかけこむための背中を押してくれた結果となりました。

電話口の担当の方によると、救急受診をするまえに病院に電話して受けてくれるか確認した方が良いと言われていたのでその通りにしました。行く病院に電話をすると、簡単な診察だけで終わる可能性があるとか言われましたがひるまず行きますと伝えました。

病院での処置

病院についたら、まず検温・血圧・心音等を済ませます。はじめは医師の診察をしてもらって、浣腸で排便を促し便の様子を確認します。腸重積の場合、苺ジャムのような血が混じったうんちが出るそうです。排便後、10分ほど様子を見てまだお腹が痛くなるようであれば超音波検査をするということに。 次男の場合はこの時点で苺ジャム状のうんちがでませんでしたが、確かに少し赤っぽいような気がしました。10分経ってもまだ痛がるので医師に診てもらいました。そして、超音波検査をしたところやはり腸重積の疑いがあるとのこと。詳しく調べるために高圧浣腸をしつつ造影剤を入れてX線検査で見ることになりました。

ここから、長時間の待機。腸重積は高圧浣腸をして水圧の力で重なった腸を元にもどしていくのが一般的な治療法です。次男の場合、血便での確認が出来ていなかったこともあり、まずは高圧浣腸で排便させて便の様子をみました。さらにX線検査をすることでより詳細な状況が見えるらしいです。X線等を使用するには専門の技師が必要になります。また、高圧浣腸も準備に時間がかかるようです。結局1時間以上待ってからようやく処置が開始されました。

手術の可能性

医師からはもし高圧浣腸で治らなければ手術になると聞いてました。大体8割は高圧浣腸で治るようです。そして、次男の処置の結果は治らず。。両親揃ってひっくり返りそうになりましたが、そんな暇もなく次の段階に。この時、わが家の次男は大分落ち着いていて痛みも以前より殆ど無い感じでした。医師によると中で便が詰まって圧迫されていたのが解消されたので一時的に痛みが引いていたそうです。

医師から受けた説明では、現在の病院では該当の手術はできないとのこと。別の大きい大学病院に救急搬送してもらうことになりました。現在の病院も地域ではそこそこ大きい病院なんですが、もっと高度な技術が必要なんでしょうか。とにかく救急車で大学病院へ。

大学病院ではまず小児科(小児外科)へ通されました。こちらで受けた説明では、”手術を念頭に置いた処置”という内容でした。まずは、もう一度高圧浣腸で処置を試してそれでもダメだった場合は手術をするというものでした。前回の病院では、高圧浣腸の水圧がガイドラインで制限されていたそうです。高圧浣腸は最悪の場合、腸が破れてしまうことがあるそうです。そういった場合の手術もできないため、高度な医療が提供できる病院へ移動となったわけです。

ここでも到着後1時間ほどは待ったかと思います。処置の準備が出来てX線検査室のような場所へ連れていかれました。あとは無事に高圧浣腸だけで治ることを祈るばかりです。中からは息子の鳴き声が聞こえてきてなんだかドラマで見たことのある光景でした。

処置の時間は30分くらいでしょうか。扉が開き先生が中から出てきました。そして、「無事に治りましたよ」と一言。腹部のX線画像を見ながら説明してくれましたが、素人が見ても何が良くて何が悪いのかはよくわかりませんが、とにかく両親揃って安堵しました。そして、処置してくださった先生に感謝するばかりでした。

治療後の入院

処置の後は入院して2~3日経過観察となりました。病棟の部屋が開くのに4時間くらい待たされました。結局小児病棟にも空きが無く一般病棟の個室になりました。入院費にびびってましたが、乳児医療費とやらの適用があり最大3日間は入院費が発生しないようになっていました。

この間、 手には点滴をされた状態で可哀そうでした。そして、本人にとって最も辛かったであろうことが下痢とお尻の爛れ(ただれ)です。高圧浣腸の影響か、下痢が一向にとまる気配がなくお尻の周辺が赤く爛れてしまっていました。下痢をするたびに、紙おむつを取り替えてやりました。そうしないと、もっとひどくなるらしいです。ふき取る時に苦悶の表情を浮かべますが、本人の為と思って拭いてあげました。ちなみに、処置後は食事はとれず点滴のみ。点滴でも水分とともに栄養が送られているので一応水下痢がでます。

結局、2日間入院しました。食事は翌日朝は無し、お昼は豆乳とお茶、夜はおかゆとお浸し、さらに子供向けの麻婆豆腐でした。点滴は2日目いっぱいまでついていましたが退院となる3日目の朝には外れました。3日目の朝ご飯、昼ごはんも美味しそうなご飯が出てきて食いしん坊な次男はがっついていました。

退院後

退院後も数日間は下痢に悩まされました。また、お尻の爛れもあいかわらず。うんちが出た後はZSと書かれた塗り薬をこれでもかと言うほどたっぷりと塗ってあげます。大量に塗ることで次にうんちをしたときにクリームごと拭き取ることができるので、多少痛みも緩和できるのだとか。それでも痛いようで、退院後もしばらくは本人にとって痛みとの闘いとなったようです。

腸重積に関するまとめ

腸重積の処置に関してまとめたいと思います。

  1. 高圧浣腸の水圧で処置(一般的、8割治る)
  2. 高圧浣腸で治らなかった場合手術
  3. 高圧浣腸の水圧で処置中に腸に穴が開いてしまった場合緊急手術

基本的に1と2のパターンですが3の場合も想定しておかなければなりません。3の状況が発生してしまうと腸内の物が体内に流れてしまうので、それを取り除くのと破れてしまった腸を塞ぐ手術をします。うまく縫合できればよいのですが、うまく縫合できなかった場合、数か月間人工肛門で過ごさなければならないそうです。

腸重積は早期に対処することが重要だそうです。長時間放っておくと症状が出ている部分が壊死してしまい、高圧浣腸の処置はできなくなってしまうそうです。また、対処が遅れると最悪の場合も想定しなければならない、実は怖い病気であることも後から知りました。

子供が腹痛を訴えているときは状況を良く観察して、間欠的な腹痛であれば腸重積を疑ってみることも必要かもしれませんね。

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